グラウンズマン日記

2022.10.05

リノベーション

2回目の投稿になります。
朝晩は気温がさがってきましたが、日中はまだまだ暑いですね。
ノエビアスタジアムでは1年中寒地芝(冬芝)を使用しているので、暑さは芝生のコンディションに直結します。現在の芝生の状況はというと、夏場の暑さに耐えながら何とか連戦を乗り切り、ようやく適正な生育温度になり回復が始まったところです。
人間に例えるなら、フルマラソンを走り切って体力を消耗し、少し休んで、やっとご飯を食べれるようになった感じですかね。(わかりにくかったらごめんなさい。笑)

9/18 ガンバ戦当日の写真(屋根閉め

とは言え、例年に比べるとよいコンディションを保てたのではないかと思っています。(まだまだ改善点や課題はたくさんあります)
その一番の要因は、今年1月下旬に、2018年ハイブリッド芝施工以来4年ぶりに全面改修を行った事にあります。
昨年度のノエスタは芝生表層部にサッチ(枯れた芝や肥料のカスなど)が堆積したことにより工繊維が埋もれ、また長時間水分が含まれるため過湿状態になり、病害虫が誘発され芽数が減少し、プレー中の選手も滑りやすい状況になっていました。

1/23 ラグビー戦後(リノベーション開始前日)

改修といっても今までのように芝生を張り替えた訳ではありません。
特殊な機械を使用し、表層の芝生とサッチ層を除去し、埋もれた人工繊維を土壌表面に出す作業リノベーションを行いました。

リノベーション後

この写真はリノベーション後のものです。
薄く緑に見ているのは全て人工繊維です。

人工繊維接写

よく見てみてください。みなさん解りますか?
これ人工繊維です。
長期間埋もれていましたが状態よく残っていました。
今回の改修はリノベーション後、この人工繊維の隙間に寒地芝の種を撒いて一から育てました。
土壌断面や詳しい説明はこちらをご覧ください。
https://k2k-green.com/feature/

発芽後写真

これは播種後7日目、発芽後の写真です。
人工繊維の方が色が濃いので見分けはつきますね。

2.17播種後17日目

これは播種後17日目です。
もう私にも区別がつきません。笑
芝生が濃緑になってきているのもありますが、SISグラスハイブリッド繊維は2トーンカラーを混ぜてあるので良く馴染みます。

2.25シーズン開幕前日

これは播種後25日目、シーズン開幕戦前日です。
真冬の作業ということもあり芝生の生育はベストな状態とは言えませんでしたが、開幕戦には間に合ったという状況です。
人工繊維が表層にあるおかげで傷みは少なく、選手が滑ることもありませんでした。
今回はリノベーションを通じてノエスタのハイブリッドシステムのご説明させて頂きました。
その他もなくてはならないシステム・機械などもたくさんありますので、日常管理と織り交ぜながら書いていこうと思います。

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